紀州棕櫚山再生プロジェクト

このプロジェクトについて

日本最大規模の家庭日用品産業がある和歌山県海南市は、元々は棕櫚のたわしやほうき、縄などの産業をきっかけに発展してきました。
しかし、現在では棕櫚製品を製造する企業は数えるほどしかなく、紀州産のシュロを使用した商品の取り扱いは高田耕造商店を除いてありません。
棕櫚皮を採取する職人も高齢化が進み、その数も極端に減少していく中、高田耕造商店は、海南市の家庭日用品産業のルーツを守りたい。棕櫚産業をもう一度復活させたいという想いでいます。
ただ、それはただ単に伝統産業を絶やさないための保護としてではなく、現代においても通用する、新しい棕櫚産業を作っていくことを目的としてこのプロジェクトを発足させました。

国産棕櫚産業の現状

主に和歌山の特産物として、昭和40年代をピークに存在していた国内の棕櫚産業は、現在では職人の高齢化や上質なシュロの消失によりほとんど途絶えてしまいました。
現在流通しているシュロ繊維は全て当時より国産品と遜色がないと言われていた中国からの輸入品です。しかし最近ではその中国産品も経済発展に伴う棕櫚産業の衰退のためか、年々価格が上がり続け、それに反比例するように上質なシュロが少なくなって来ました。
このままでは棕櫚の文化や産業はそう遠くない未来に失われてしまうと予想されています。

紀州棕櫚山再生プロジェクト

やさしい肌ざわりを持ちながら耐潮性、耐摩耗性に大変優れ、現代の化学石油製品と比べても優れている点を持つシュロという素材は、古くから地域に住む先人たちから私たちに伝えられてきた恵みです。
自分たちのルーツをこのまま途絶えさせてはいけないと、高田耕造商店では地元和歌山にて当時を知る野上谷の職人たちと共に五年以上の時間を掛けて以前と同じ技法、栽培方法で原料から製造まで全て和歌山県で作られた純国産の棕櫚たわしを製品化させました。
さらに何十年も放置され荒れ果ててしまったシュロ山をもう一度再生させようと、コツコツと活動を広げています。
この活動は、野上谷に生まれた自分たちだけができること。しなくてはいけないこと。であると私たちは考えています。